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10年後のあなたの会社の為に

第5回目 あなたはお客様の気持ちになっていますか?

お客様が「お墓」を購入しようと考えた時、どのように考えるでしょうか?
一生に一度の買い物ですが、なかなかよい情報が手に入りません、
その為大変不安に思っています。
そして相談できる人も少なく、チラシや広告を見るぐらいが関の山です。
何を基準にしたらよいのかわかりません。だから大変不安になるのです。

例えば、あなたが畳替えをするときのことを考えてください。
畳にはソフトの部分は少ないですが、墓石と同様商品知識を持っている人はほとんどいません。
ランクも国産から中国産、その上素材でも本物の「い草」の物、紙製の物、PP製の物と一見、素人には違いがわかりません。
そして、それぞれに特徴があります。あなたはどのようなお店に行きますか?
素材や特徴を説明してくれて、値段がリーズナブルと思える店に行きませんか?
しかし、畳の業界も其々の特徴をお客様に提案できていない為単価勝負になってしまっています。

今、我々のまわりで歴史とか伝統の意味と大切さを見落として新しく変った事がよい事のように伝えられてきています。
特にマスコミを中心に散骨や樹木葬、宇宙葬という様な目先を変えた新しいものが導入されています。
しかし、本当にその様なことが求められているのでしょうか?
20世紀は物質文明の時代でした。
21世紀は心の時代、魂の時代と言われています。
文化大革命により宗教を否定していた中国ですら新しくお寺ができたり、風水士が復活したりしています。
グローバルスタンダードと言われる欧米式の確一化から、
アジア的な様々な物を認める本当の個性の時代に入っていくのではないでしょうか。

本当の個性の時代には当然先に述べた散骨、樹木葬、宇宙葬のような形態を求める人も出てくるでしょう。
先程述べたように心、魂の時代になってくるので人の考え方は2分化(2極化)する可能性が大きいと思われます。

一極は、本当に自分のライフスタイルや自家(ルーツ)を大切にして自分が生きて来た事、 自家(ファミリーアイデンティティ)の表現の一つとしてのお墓作りを望む人達 (そして、感謝の心を持って供養して行く事を大切にする)。
もう一極にあるのは先祖や自分のライフスタイルはどうでもよい、
たちまち自分達の手(金)をわずらわさずお墓が有れば良いという考えではないでしょうか。

我々は、「お墓は建てなければいけないから建てた」という考え方の人に販売し、単価に縛られ、 せっかく建立したお墓を大切にしていただけないのは悲しい事です。
ライフスタイルやファミリーアイデンティティを大切にしていただき、
「自分達が一生懸命建立したのでお墓まいりをしよう」という方をお客様にしたいものです。

では、今後、後者のよう様なお客様をターゲットとして販売していくとなると、しなければならない重要な事が2点あります
まず、第一にお客様のライフスタイルやファミリーアイデンティティを上手に聞き出す事、 第2に聞き出したお客様の思いにマッチした回りの景観や環境のものを提案する事、 当然それが和墓であろうと洋墓あろうと全く関係ありません。

最近、ある40代から50代の女性達に聞くと、「私はピンクのかわいいお墓に入りたい」という話をしていました。
全ての人がそうではないでしょうが「なぜそういうお墓なんですか」と聞いた時
「だって、楽しそうだから孫やひ孫も来てくれそうでしょう」という事でした。
彼女たちの言葉の中にお墓参りしてほしいという気持ちがあらわれています。

国産石の和墓を望まれる人も必ずいます。
しかし、例えば、岡山型、広島型、関東型を購入するお客様は、そういう形だから求めている人は少ないでしょう。
先程の女性達ではないですが「孫やひ孫がお拝りに来てもらえる様なお墓」
これが一番求められている事でしょう。

では石種についてはどうでしょう。
関西地方では庵冶石のブランド力は強く、高い石、もうあまり採れない石として知られています。
しかし、その中にランクがあり、上下で5倍以上原価が違うという事は知られていません。 当然、中国材についても623も、黒竜石も、山西黒も同じ中国石という認識の人がほとんどです。

当然石質は石によって違っています。
この事の説明を上手にしているお店では同じ庵冶石でも牛にたとえて、
ロース、カルビ、ヒレと図で解説している所があります(笑)。
この様に、お客様によくわかる事が一番大事な事です。

なぜ価格が違うのか(石種や成材率、大きさ、国産、外国産)、
石種による特徴を知らせる (例えば、吸水率、硬い硬くない、色あせはどうか等)工事についても自社の施工方法を話す。

というように、お墓についてのソフトの部分とハードの部分の分けて説明をし、理解して頂ければ納得いただけます。
全てのお客様がこの様な情報を望んでいるかはわかりませんが、
「わかりやすい」という事は不安を取り除いて信頼をいただく大きな要因なのです。

気をつけないといけないのは、お客様が望む事=わがままをきく事ではありません。 無理や無茶な事はきっぱり断ってください。
前の講座でも言いましたが、よいお客作りもりっぱな仕事です。
お客様によいお客様になっていただくように指導する事も「よい店」になる為の第1歩です。
正当な要求と不当な要求という事は、自分が買う立場になっても同じ事です。
自分も「よいお客」になり、自社も「よいお客」と取引きする「よいお店」になりましょう。

なお、ご不明な点がございましたらメールにてご連絡ください。
E-Mail:info@kujaku-mk.com