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10年後のあなたの会社の為に

第3回目 目的意識を持たないとどうしてダメなの?

第2回で、「貴方が一番にすべき事は、時代の流れを読むために自社の分析をしてください」と話しました。
いかがですか、できましたか?
孫子の兵法に「己を知り、相手を知らずんば百戦危うからず」
とありますが前回の分析でまず自社と周りのことを知ることができました。
ではなぜ目的意識が必要でしょうか?

目的意識というのは自社の進むべき方向であり姿勢(使命)です。
これを明確にすることで社内も社外も「お店に対してのイメージ」ができます。
私がこの業界に入って十数年、墓石店には「家族店舗」と「組織店舗(量販店)」があることに気がつきました。
当然幾つかの部分で重複しているところもありますが、「家族店舗」は10人以下で、家族を中心に紹介を中心とした昔ながらの経営をしているお店です。
「組織店舗」は葬儀社や仏壇店からの参入も含め、広告をしたり営業マンに訪問販売をさせている店です。

では、あなたのお店はどちらですか、そしてどちらを目指しますか。
この会は「小さな石屋さんの為の実践的な経営のご提案」ということで「家族店舗」の方々に向けての会です。
そしてこの会の目的は「良い墓石店を増やす」ということです。
ですから皆様に「良い墓石店」になることを目的にしていただきたいです。

抽象的な目的ですが、では「良い墓石店」とは何でしょう。
売り上げが大きい店でしょうか?
たくさん儲けている店でしょうか?
有名な店でしょうか? 

私の考えは「よいお客様に買っていただける店がよい店」だと考えています。 では「よいお客様」とは何でしょうか?
墓石を購入されるお客様の中にも様々な考えを持っている人たちがいます。
お墓の価格の高い安いに価値を求める人、デザインの優れたものを好む人、有名な石種を好む人、と様々です。
しかし、お墓の本来の意味は先祖を供養するということです。
このことを理解してお墓を立て、供養の心を持って「お墓参り」をしていただけるお客様を「よいお客様」と言ってもよいのではないでしょうか。

そして、「よい墓石店」とは「よいお客様になって頂けるよう先祖を供養する心の意味をお客様にお伝えし地域の皆様と共に生きていく墓石店」です。
当然売りっぱなしにしたり、お客様をだましたりというような墓石店ではありません。 お墓を通じて永く仲間のようなお付き合いをしていただけるお店です。

ということで目的がおぼろげながら見えてきたのではないでしょうか。
仲間のように親しくお付き合いしていただければご紹介いただける可能性も多くなり、お客様単価にもかかわります。

家族店舗の目的は(企業理念にあたります。)

  1. 墓石を通じて供養のお手伝い。
  2. 地域の人々との血の通ったお付き合い。
  3. 日本人としての感謝の心の再生。
  4. お客様家族の絆を強める。
  5. お客様の立場に立った墓石の提供。
  6. その他。

当然量販店も目的を持っています。
しかし、その目的も数字的な目標が勝って売り上げ至上主義へと進んでいるのが現状です。
その為、強引な販売やずさんな工事をしているところがあります。
量販店のそのような行動を快く思っていない消費者もたくさんいます。
お客様の本当の決定基準は価格ではなく、売り手の姿勢です。
どんなに安くても信頼していないお店からは高額商品の墓石は買いません。
はっきりした目的意識を持って販売することにより、お客様は心を動かされます。

そして、次に目標についてお話します。目的を具体化する為の物が目標です。
第2回で分析をしていただきましたが、これにより目標を立てましょう。
まず商圏の分析ですが、テリトリー内の人口と一件当たりの客単価で市場規模がわかります。
そして、ライバル店の数と自社の売り上げとを対比すると自社のポジションが見えてきます。
いわゆる地域一番店とはテリトリー内のシェアの30%以上を持っているところです。
そして、自社の分析によって販売可能、施工可能な本数が出てきます。
すると現在自社で最大の力を発揮したときに年間何基できて売り上げをいくらできるかというのが見えてくると思います。

自社の可能売上高=最大施工能力×お客様平均単価

今回数字のことを言いましたが、今までの墓石店では貴方まかせで年間の目標などを持たず、ただ待っているだけでした。
しかし、今の時代にはそれだけではなかなか生き残ることができません。
別に「鉢巻をして物故者のところに営業に行きなさい」と言っているわけではありません。 めんどうくさくなったり、自分に負けて「まあいいや」と自堕落になり、やり易いことしかしない人が多々あります。

生き残るということは今の時代には生易しいものではありません。
自分に負けないためにも年間目標を持たなければだめです。
目標を持つことでの一番のメリットは「考える」という事です。
「達成するために何をするか」「達成できなかった時に何がダメだったのか」いろいろと考えます。 そして、その考えに沿って計画を立て行動します。このようにして売上目標を立てましょう。

昨年の売り上げ=1昨年の受注件数×2 お客様平均単価

今年の目標は昨年の売り上げ以上ですか以下ですか?

1今年の予測
  1. お客様平均単価は上がりますか?下がりますか?
  2. 受注件数は増えますか?減りますか?
2昨年の売り上げは
  1. 一昨年の売り上げより増えていますか?減っていますか?
  2. 受注は一昨年より増えていますか?減っていますか?
例えば今年の目標を昨年よりも10%増加を立てたとします。
1のaは2のaから推測できますが、多分客単価は下がる可能性が多い
1のbは2のbから推測できます。

このように分析と推測で目標の設定と実現が可能かどうかがわかってきます。
残念ながらお客様単価を上げる方法や受注件数を増やす方法は第6回以降でお話しましょう。
分析と推測を数字に基づいて行えば目標の立て方も、問題点も明らかになります。
明らかになった問題点の解決については次回にお話しましょう。